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小坂町防災訓練 講演会

日時:2014年11月3日10時30分〜12時
場所:三原市小坂小学校  
主催:小坂町防災会、
出席者:250人(内小中学生35人)
講演: 
演題:「大規模土砂災害の教訓」
講演者: 広島県自主防災アドバイザー
      柳迫長三氏

目的:小坂町は地域防災活動の先進地域として実績を積んでいる。豪雨土砂災害の発生に対して地域住民が命を守り、家族を守り得るよう「広島土砂災害」の教訓として本講演が計画された。


講演内容:
 柳迫氏は被災地広島市安佐区に居住され、太田川を隔てた反対側のため被害は免れた。消防署勤務経歴後、被災区の「土砂災害危険地区」の指導、訓練に従事され、今回被災地の状況調査をされ新たに分ったことを講演された。地域及び受講者には土砂災害対策の教訓として大変参考となった。

講演の原点:
 講師は今回の災害、被災の調査過程で下記の指摘が本講演の原点とも話された。
・被災女性の厳しい指摘:今まで防災訓練を受けたが、今回の「土砂災害」には全く役に立たなかった。今までのやり方ではだめです!と
・上記指摘により講師は被災地を回り被災者の自体験を聞き、現地を見て新たな事が分った。

講演要旨:

1.防災知識に関するもの (周辺の危険を知る)
・地域の危険個所を地図に織り込み作成する事は実践に役立つ
・裏山の渓流、浸水危険地域、軟弱地盤地域をよく知っておく
・豪雨の発生と避難の可否を知っておく

2.危険情報収集・連絡の難しさ 
・豪雨と雷鳴で騒音激しく、停電、夜中では動くことが出来なく、情報入手、連絡も出来ない
・隣人からの連絡で懐中電灯が役立った
・停電や深夜での連絡ではメールは有効であった
・停電時の避難勧告発令はTVが見れず、知ることが遅れた
・行政からの避難指示や町内会や自治会からの連絡方法の改善が必要


3.防災訓練に関するもの (避難体験からの教訓)
・防災訓練は継続して行うことで役立つ 
・避難所が全て安全な場所とは言えない。 
 集会所で土石流の被害を受けた所もあり、災害の発生を早く感じて避難した人もいる
・避難途中で激しい水流に流された人もいる
・従来の訓練は“鯑饂惻─↓避難場所に集合、人数確認、と鯑饅蟒弦隋↓ス嶇辰箏盈の実施であった
・今後は今回の教訓を活かした訓練により、実践に役立つものを目指す

4.自主防災会(役わり、啓発)  
・避難所では地域の避難状況の掲示板を掲げ、避難者の状況把握に役立てる
・避難所の運営は自主防災会で行うとトラブル防止となる
・地域の空き巣被害防止に役員が見回りをした
・非常持出品リュックが必要:合羽、軍手、ジャンパー、運動靴、(男女、高齢者、子供専用の必要品)冬場の避難に役立つもの必要
・夜中の豪雨、雷鳴、停電では連絡は出来なかった→どうすれば?
・復旧は自分たち(地域)の手で!
・地域には自主防災会が必要で、早く立ち上げ、基盤を築く
・行方不明者数の実態把握出来なかった。町内会、自治会体制が必要で未加入者をなくする
・地域の連絡網は、携帯電話の登録が便利、停電時にも活用できる


5.行政への要請、改善事項 : 
・広島市からの防災放送、無線放送が被災地住民に聞こえなかった
・豪雨と雷鳴と停電で家の中では聞こえなかった 
・8月19日/20日夜、三入地区は雷鳴と降雨(101mm/H, 257mm/24h)だった 
・広報車、TV、インターネットともダメ、外は雨水、土砂、土石流、崖崩れが発生し危険であった
・行政への現地の対応要請、要望は無理?
・今後の地域防災体制作りには小中学生の防災教育が重要

6.住民の防災意識:(危険と安全対策の確認)
・防災ハザードマップは配布されたままではなく、自宅の危険度を調べ確認しておく
・河川があれば氾濫、決壊により住宅地に浸水被害が起こる
・土石流の流路に鉄筋住宅があれば、流路が変わり下流側の家屋の流路被害は変わる (八木3丁目緑ヶ丘住宅周囲の例)
・避難場所や避難路の確認をしておく
・山沿いの住宅で盛り土上の住宅は地盤とも流失している
・崖崩れによる家屋の被害も多い
・土砂災害の被害家屋で1階は土砂の流入被害が大きいが2階は被害ない家もある
・土石流では渓流沿いは被害多い。がけ崩れ被害は土石流に比べ少ない
・無理な避難はしない事、夜中、降雨の中、雷鳴中、土石流中等、家の中の方が安全なケースがある

7.その他(災害現象など) 
・予兆として異様な匂いが漂っていた 
・大きな石が流れ、大きな音が続いた
・ボランティアや防災士による被災地支援は大変有難いと喜ばれている



あとがき:
今回の「広島土砂災害」での被災者体験調査の貴重な話しを聞く事が出来た。いつ起こるか分からぬ豪雨、土砂災害についての意識の向上と共に防災訓練の重要性、備える事の大切さ、早く積極的に避難する事の必要性を感じ取った。
(桑木光信)

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